はてて、目のみ光り、狂人以上にただならぬ様子だから、社員もゾッとした。
「なア、オイ。ウチの社長のような、ガッチリズムの冷血動物がマニ教になったかねえ。わが社をそッくり奉納したには困ったな。我々は神の下僕だとよ」
「笑ってちゃ、いけないよ。神の下僕、信徒ときたからには、月給は払わないぜ」
「なるほど」
「雲隠の奴に百万円だまされて、キミもたしか、貯金をおろしたようだが」
「ワッ。いけねえ。オイ、ふざけるな。かえせ」
「オレに返せたって、ムリだよ」
「ウーム」
 一同、目を白黒させている。
 とっぷり日の暮れるまで、社員はマニ妙光の合唱をやらされる。夜になると、一族郎党、神様をまもって、再びトラックに分乗し、神殿に定められた寮へ落ちつく。三羽烏もここへ泊められて、自宅へ帰してもらえない。
 その翌日から、各新聞の賑やかなこと。妙光様と天草商事で持ちきりだ。そのくせ、マニ教の神殿は、信徒以外に侵入を許さないから、借金とりの苦心も実を結ばない。
 こうして神様の陰にかくれて、天草次郎はユックリと起死回生の策をあみだすツモリであったが、碁や相撲のように個人の天分だけで復活できる世界とちがって、
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