いと思う。スタンダール以前の「危険な関係」の方が、はるかに人間通であり、簡潔であり、新鮮である。
生活する人間にとっては、スタンダールの文章など、読めないのが当然だと私は思う。学究とか隠者とか、生活から距てられた骨董的老人が、愛読し、そして現代をのゝしるヨスガとする性質の、それも亦骨董品の一つではないかと私は考えているのである。
底本:「坂口安吾全集 06」筑摩書房
1998(平成10)年7月20日初版第1刷発行
底本の親本:「新小説 第三巻第一号」
1948(昭和23)年1月1日発行
初出:「新小説 第三巻第一号」
1948(昭和23)年1月1日発行
入力:tatsuki
校正:小林繁雄
2007年2月15日作成
青空文庫作成ファイル:
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