メをまくしたてた。無感情に。そして青木を刺し殺すように言葉をきった。
青木などは頭になかった。この名刺持参の者、と、わざと無記名の紹介状を青木に持たしてよこした大庭長平が憎いのである。御引見の栄をたまわりたし、と皮肉な敬語の裏に、おごりたかぶったキザなウヌボレが見えすいている。長平への戦闘意識で、頭の中はモウモウといっぱいだった。
「成功すれば後援者から独立できるのよ。きっと、成功するわ。なぜって、莫大な援助なのよ。事業の成功率なんて、出だしの資金次第だと思うの。事業の実質的な主権を私が握れたらね。それは夢じゃないでしょう。いいえ、必ず実現してみせる。それも、遠くないうちに。そしたら、あなたにも、どんな約束だって、果してあげられるわ。あなたが私のためにして下さった何十倍の物もね」
思いやりを含めたような言い方をしながら、侮蔑、嘲笑が露骨であった。
青木の癇は鋭どすぎて、弱すぎる。関所のニセ手形がゲキリンにふれるのも仕方がないな、と、あきらめて、
「大阪の事業団体て、だれ?」
「極秘よ。まだ、いえない。御想像にまかせるわ。銀行屋さんでも、紙屋さんでも、印刷屋さんでも、高利貸でも」
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