ッてのか。ザックと」
青木の目が光った。しかし、やがて悲しげに目をふせて、苦笑をうかべて、
「イヤ、よそう。コンクリートを押してみたって、はじまらねえや。ときに、長平さん。池の蛙に二百万両かさねえかな」
青木はヤケ気味に、相手を小馬鹿にした風であった。長平は返事をしなかった。
「そうだろうな。蛙の顔には小便ときまってらア。小判を投げちゃアくれねえな」
青木は茶室の隅に水道の蛇口のあるのを認めて、ウガイをして顔を洗った。
「失恋? ふざけちゃ、いけませんや。女房に逃げられたって? チェッ。埒もない。お金か! 笑わせるよ。まったく。梶せつ子がオレの何者だって? 知ったことか! ねえ。そうだろう。お金も、女も、つまらないね。ツラツラ観ずれば、そうなんだ。わきまえてるんだよ。わたしは」
しかし顔色をひきしめて、
「だが、長平さんや。さッきのセリフにはたしかに、曰くがあるね。そうだろう。それを聞かせてもらいましょう。蛙の横ッ面に石が当ったんだとさ。白いアゴをつきだして、ひっくりかえるだけが能じゃないんだってさ。池の蛙でもさ。さ、おききしましょう」
ひらき直った凄味はなかった。言葉のとぎ
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