の重さを対等に受けとめられたら、うけとめてみるがいいや。そう語っている。別に長平にそれを知らせようとしているわけではないが、闘志一本に心をかためたから、彼の構えがそれを表示しているだけであった。
エンゼルは長平の顔から、無感動な視線を瞬時も放さなかった。
「今では記代子が好きではないのです。なんしろ、熱ッぽい思いになった元はといえば、イカモノ食い……これもイカモノ食いの一つですな。本人よりも、本人の環境に惚れたんですから。ながく、惚れる筈がありませんや。惚れたモトがそうですから、鼻についたとなると、これは、ひどいものですなア。日増しに熱がさめる。そんなもんじゃありませんぜ。一時間、いや、一分、一秒ごとでさア。自分ながら、興ざめていくのが、怖しいぐらい。すさまじいものです。こッちは気持がふさがって、食事もまずくなる、記代子を一目見るたびに、アア、ヤだなア、砂をかむような気持。田宮伊右衛門の心境、アア、ムリもないとしみじみ思ったものですなア」
長平ははじめのうちは、エンゼルの視線をはずして、ソッポをむいて、軽い気持できいていたが、だんだんそんな風にしていられなくなった。嫌いになった女が
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