、ウスノロの態度が真剣なので、このウスノロは本当にいくらか出すつもりじゃないのかと気がついて、おどろいた。どこまでウスノロだか分らない。先方がそのツモリだとすると、こッちも、もらって損はないから、
「イヤ。こう申上げても、あなたは本当にして下さらないでしょうね。ぼくが悪るかったのです。昨夜、酔っぱらって、とりみだして、あまりと言えば、あまりの醜体です。昔の悪い習慣、三ツ子の魂です。酔っ払うと、昔の悪い男が顔をだすのです。昨夜の醜体はよく記憶していませんが、そのあさましさは、だいたい見当はついています。ぼくはジキル博士一本になりたいのですが、汚れた血は、生涯ついに、ダメですかなア」
「いいえ。ぼくがミレンがましく、友情を信じてくれますかなどゝ、疑ぐりぶかい心をさらけだしたのが、あさましいのです。醜体はぼくなんです。先日から、信頼していただくことばかり考えていたものですから、不覚なグチを申上げてしまったのです。ぼくの存在がお二方のお役に立てば、それだけで満足なんです」
実にグチなことを言ったものだと、放二はすこし呆れていた。だまされることなんて、なんでもないことではないか。だまされまいと
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