の激するところも見えない小娘の様子であった。四方山話をしているような、屈託のない薄笑いをうかべていた。
「金次第で、どうにでもなるというんだな」
「そうよ」
「どんな男とでも、な」
 ルミ子はニッと笑った。
「パンパンだって、選り好みはあってよ。そうじゃないと思うの」
 明るくて、邪気のない答えであった。

       七

 エンゼルは娘をだまして一稼ぎするには妙を得ていた。終戦後の二三年はそれで食いつないでいたのである。美貌が第一の資本であったが、女の心理にも通じており、演技者としての才能が抜群であった。
 しかし、パンパンなどに対して演技の必要はなかった。同じ裏街道の同志で、生地をさらけだして、不都合がある筈はない。顔の貫禄と美貌は彼女らの身にあまる偶像で、エンゼルの逞しい腕に、ムンズとひきよせられたパンパンは、あまりの羞しさに、泣きそうになり、もがいて逃げようとするのであったが、有無を云わさず引き寄せられて厚い胸に押しつけられると、力はつき、ただ夢を見るようにウットリしているだけであった。
 そうでないような女に対しては、そうでないように、エンゼルは対策にこまるということは、
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