に居るッて話はきいたことがあったが、それがお前か」
「強殺だの喧嘩傷害だの、すごい人が話きかせてくれるでしょう。案外なもんね。どんなふうに死ぬもんだか、見てる人、ないわね。私はみんな見てたわ。ちょッと見落しても悪いような気持だもの。なんでもないもんよ。呆気なく、死んでるものよ。ほんとかな、と疑ったのもあったわ」
エンゼルはつまらなそうにビールを呷っていたが、
「自殺なんてものは、つまらんものにきまってらアな」
ちょッと凄んでみせた。
「返り血をあびて真ッ赤にそまる果し合いのようなものは、オレがやっても、目がくらんだ気持にならアな。ひどく冷静でもあるし、泡もくらってるものよ」
「どんな悪いこと、してきたの? ずいぶん、お金持ちだってことじゃないの。なんで、もうけたのさ」
六
ルミ子は職業的に、男について階級的な区別を持たなかった。社長と社員、ボスとチンピラ、どっちがどうという区別はない。
彼女は男を大別して、金放れのいい人とそうでない人、ウヌボレの強い男とそうでない男、執念深いのとそうでないのと、だいたいそれぐらいに区劃していた。
金銭について、金に汚い男とい
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