ただけませんか」
記代子は放二の執念深さに愛想をつかして、立ち上った。
十四
エンゼルをつれて現れた記代子には、トゲトゲしさが失われていた。エンゼルに甘え、もたれきっている安心が、包みきれぬ喜びの姿で現れているようだ。
放二は記代子にたのんだと同じ言葉で、記代子を長平とせつ子に会わせてくれるようにエンゼルにたのんだ。
「これ、また、難問だな」
エンゼルは手を後頭に組んで、イスにもたれて、微笑した。
「あなたに会うべきか否かについて、さっきあれほど相談の時間を要したのだから、今度も、タダではすむまいて」
「あなたは、どう思うのよ。おッしゃいよ。イエス、ノオ、どちらか一つでいいのよ」
「二つ一しょに言ってもいいと思ってるらしいな」
記代子はクックッ笑った。
エンゼルは、ちょッと改まって、
「北川さん。ぼくはこう思いますよ。これは時期の問題ではないか、とですね。ある時期には、記代子もすすんでお会いしたいと云うでしょうし、ぼくも大庭先生にはお目にかかりたいのです。しかし、今はその時期ではないようです。あなたは先生のところへ戻って、記代子のことを、ありのまま、あなた
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