のです。あの方々の内に曇りを払うすぐれた力が具っているのですから」
 記代子は言葉をさえぎった。
「私は叔父さまや社長に理解していただく必要はないのです。あなたは、変ね。叔父さまや社長の許しを乞わなければ、何をしてもいけない私だと仰有るようね。叔父さまや社長にそんな権利があるのですか。私に、カリがあるとでも仰有るの?」
「カリではないのです。人生にカリがあることは有りうべきことではないと思います。ただ、心にツナガリのある人々同志は、そのツナガリを尊敬する義務があると思うのです。一般人は博愛や慈悲に身をささげる有徳の行者とはちがいます。人間を愛し、生まれたことを愛する表現としては、ツナガリを尊敬するという義務を果すぐらいで充分なのではないでしょうか」
「理窟屋! 無能力者は、そうなのよ。いつも言葉で考えてるわ。私は、考えるのは、イエスとノオをきめる時だけだわ」
 そこに再びエンゼル家の個有の思想を放二は見た。
「わかりました。それでは、私の申上げたことを、野中さんとお二人で相談して、御返事をきめて下さい。イエスとノオのどちらかで、結構です。野中さんには、ぼくが説明いたします。およびしてい
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