であった。ひとしきり、それで議論がわいたが、言うだけ言わせておいて、年配の女はこう結論した。
「あの娘はね。良家の娘なんだってさ。お金持ちの娘らしいのよ。そして、ニンシンして家出中かなんかだって。それで、子供を生ませて、養育料かなんか、ゆすらせようッてことなの。それがキッピイの発案なのよ。だから、キッピイのツモリじゃア、女の世話じゃなくッて、もうけ口の世話のツモリだったんでしょうね。とにかく悪党よ。いいとこ、一つもない奴ねえ」
ルミ子はキッピイやエンゼルの悪党ぶりには驚かなかった。そんな奴は、どこかにタクサンいるものだ。わけが分らないのは、記代子という娘であった。ポッと出の田舎娘じゃあるまいし、その馬鹿ッぷりに見当がつけかねるのだ。
七
人間はいつも何かにためされているような気がするとルミ子は思った。
放二のような稀有な人が、せつ子だの記代子のような女とばかり交渉をもつということがその証しだが、人間万事、そんなものでもあるらしい。
両々その処をうるというのは愚人の夢か諦めである。不均衡、不安定、ガサツなのが人間関係の定めであろう。それに対処することによって、い
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