らましを女たちに語ってきかせた。
 ルミ子はきき終って、
「キッピイさん、もちろん、みんな知ってるのね。そして、何か、深い理由があるんだわ。キッピイさんに、会ってみたいな」
 そしてルミ子は夕刊をとりあげて、放二の示したキッピイの店の広告を眺めていたが、
「私、この店の女給になってみましょうか。二三日いるうちに、秘密をききだすことができるでしょう」
 とんでもないことを言いだしたのに気がついて、ルミ子は苦笑した。
「ちょッとしたスリルか。なにか、イタズラがしてみたいのさ」
「気どってやがら」
 八重子がやりかえした。ルミ子の言葉に意外に反感をいだいた様子である。
 ルミ子は苦笑して、
「フン。ヒステリイ」
「チェッ。しょッてやがら、あんたは、美人だよ。麗人でございますよ。美人女給にお似合いですよ。この町内へ二度と戻ってきなさんな」
「どうも相すみません。パンパンアパートの姐御さま」
「よしやがれ。パンパンでわるかったわね」
 八重子がなぜ腹をたてたか、ルミ子には一から十まで分っていた。何よりも嫉妬であった。誰が放二を恋しているというわけではないのだ。ゴミ屑のような生活のなかで、美しい恋
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