ーでも開いて男を探し、男から男へといふ風に面白おかしく、とでも毎日喋つてゐたのだらうが、それをそつくり実践されては堪らないと伊東伴作は怖れをなして考へた。然しいくら蕗子だつてまさかにそこまでは踊るまいとせいぜい気休めを弄んでゐると、蕗子への愛着はもはや牢固として抜くべからざる妄執に変りはじめてゐたのだつた。



底本:「坂口安吾全集 02」筑摩書房
   1999(平成11)年4月20日初版第1刷発行
底本の親本:「早稲田文学 第三巻第五号」
   1936(昭和11)年5月1日発行
初出:「早稲田文学 第三巻第五号」
   1936(昭和11)年5月1日発行
※底本は、物を数える際や地名などに用いる「ヶ」(区点番号5−86)を、大振りにつくっています。
入力:tatsuki
校正:今井忠夫
2005年12月10日作成
青空文庫作成ファイル:
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