あり、かくて村政にたずさわり村を憂うる村長や有力者は自然に自ら義人となり、義人政治行われ、これぞ村のあるべき当然の姿ではないか。勤労に対しては必ずそれだけの報酬せよ、という秩序が確立することによって、アベコベに、真の義人が現れる基盤ができるのである。
「道路工事に義務人夫で出ろ。さもなければ茶菓子をだせ」などという暴力政治が、田舎では今でも行われているのですね。この青年が反抗するのは当然だ。真に日本を愛し、日本のより良く暮しよい国たらんことを願う者が、再びこのような暗黒な暴力政治におちこみつつある村政に反抗しなくて、どうしようか。口に大きな理想を唱え、天下国家を論じる必要はない。自分の四周の無道に対して抗争し、わが村の民主政治が正しかれと努力すれば足りるであろう。
 可哀そうな青年よ。君の村は、そんな悲しい暗黒な、暗愚な村なのかねえ。そのような暗愚や暴力に負けたまうな。村のボスなどと妥協したもうな。君の味方が、君の友が、僕一人である筈はない。
 日本の農村はひどいねえ。百姓ぐらい我利我利亡者で狡猾な詭弁家はいないよ。農村は淳朴だの、その淳朴な百姓こそは真の愛国家で、それ故に天皇を愛して
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