ヤダルのようにふとっている。それで跳板跳びこみまでクルクルやっているから、私も気が強くなった。彼はふとッちょに勇気を与えてくれる。若返りの精神を与えてくれる。御利益あらたかであるから、ふとッちょはダイヴィングを見物に行きたまえ。しかし、こんなにふとッちょのダイヴィング選手というのは、世界になかったことだろうな。コンビネーション・ダイヴィングというのをやると、やっぱり彼が一番早く水面に到着する。
 拙者と同姓の坂口さんという高飛込みのお嬢さんが、傑出していた。私の見てきた女子ダイヴィングではこの選手のフォームが一番よろしいようだ。これもコンビネーション・ダイヴィングをやる。最後に、も一人のお嬢さんと組んで一本の丸太ン棒となり、というのは、お互いに相手の足を抱きあって一本の丸太ン棒となるのだが、そして水中へ墜落するという余興を見せてくれたが、その意気はさかんであるが、美しいものではない。
 しかし、こんなことをやってみせようというユーモアあふるるコンタンは珍重するに足る。慶賀すべき戦後派健全風景で、ダイヴィングがはじまるや、見物衆、
「わア。ストリップよか、エエもんだなア」
 期せずして、
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