たてる性質のものではなく、遊びであり、その限りに於て、片隅に存在を許されることは、不当ではない。特に日本の国情として、世界的に観光国家として発展の必要があると、片隅の存在としての賭博は、片隅ながらも、国家的な配慮に於て行われる必要はあるだろう。
そういう場合に最大の障碍となるのは、その賭博によって生計を立てる人種が介在することで、つまり、ボスというものの存在を許すかぎり、賭博は民衆の「遊び」として育てることはできないのである。
賭博を単純に遊びとか保養というものに解する生活が確立すれば、もとより賭博の害もなく、競輪場の紛擾もなくなるだろう。モナコがなくなっても、自殺者の数はへらない。
底本:「坂口安吾全集 08」筑摩書房
1998(平成10)年9月20日初版第1刷発行
底本の親本:「文藝春秋 第二八巻第四号」
1950(昭和25)年4月1日発行
初出:「文藝春秋 第二八巻第四号」
1950(昭和25)年4月1日発行
入力:tatsuki
校正:宮元淳一
2006年1月10日作成
青空文庫作成ファイル:
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