ういう次第なのである。大阪のお嬢さん方は、巷談師安吾の如きにはビクともしないのである。どんな動物だか見てあげましょうというような軽い気持で、実に彼女らは天真ランマンですわ。大阪の実業家だの名士というのは、やっぱり二流だね。一流の魂があれば、巷談師ごときに怖れるところはなかろう。おそらく東京だったら、私が会見をもとめた政治家や実業家は悠々と会うかも知れんが、お嬢さん方の方は怖れをなすんじゃないかね。
また、大阪では、あやしい所を遍歴するたび、警察の人にまちがえられて、大いに困った。徳田君といっしょに裏町やテント張りのストリップやマーケットなどへ見物にでむくと、私服の案内で巡察にきた何かのように間違えられて、ストリップが突然着物をきて、全然ハダカにならなくなったりするのである。ポンビキなどゝいうものは、私のところへ寄りついたこともない。どうも外套をぬいで出かけなければならなくなった。今後は変装の必要があるかも知れん。
予定では、大阪といっしょに神戸もまわる筈であったが、時間がなくて、まわることができなかったのは残念でした。
底本:「坂口安吾全集 11」筑摩書房
1998(平
前へ
次へ
全51ページ中50ページ目
小説の先頭へ
文字数選び直し
坂口 安吾 の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ
登録
ご利用方法
ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング