くとしで、どこかしらにゴールド・ラッシュ的山男人種のバラックが存在するにきまっている。いや、表通りにすらも。それが鉄筋コンクリでも、その内実はバラックなのである。そして、今までのバラック族が本建築族に出世する時には他の区域にバラック族が住みついて、永遠にバラックの絶えることがない町なのであろう。
バラックの心。それは一つの勇心ボツボツたる魂でもあるかも知れない。バラックへの郷愁。ボツボツたる勇心の流す涙かね。織田作の霊よ、安かれ。
どうも私はストリップだのジャンジャン横丁だのキャバレーだのと、ロクでもない大阪ばかり見物し、会見した人物といえばお嬢さんだけとは怪しからん、という抗議をなす人があるかも知れないが、これがどうも私のせいではないのである。
私も大阪のしかるべき代表的名士に三四会見を申込んだが、一応は承諾したのち、みんな用を構えて逃げられたのだから仕方がない。申し合せたように一応は承諾するところが、面白いな。結局巷談師安吾という奴は、どんなことを書くか分らん、というのが心配のタネであったのだろう。
要するに、会見に応じて悠々と現れて下さッたのは、お嬢さん方だけであった。そ
前へ
次へ
全51ページ中49ページ目
小説の先頭へ
文字数選び直し
坂口 安吾 の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ
登録
ご利用方法
ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング