児だ。肉体上にも精神的にも畸形不具的だ。パンパンは自然人であるが、畸形ぢやない。
 然しパンパン諸嬢は元は女学校の優等生だが、自然人への変化と同時に知性の方も原始人的退化をとげて、自然人たることに知性の裏附けを与へ、知性人たる自然人に生育してゐる「愛すべき人」は一人もゐないやうである。彼女らが知性人としての自然人となるとき、日本は真に文化国となるのであらう。パンパンは一国の文化のシムボルである。



底本:「坂口安吾全集 05」筑摩書房
   1998(平成10)年6月20日初版第1刷発行
底本の親本:「オール読物 第二巻第八号」
   1947(昭和22)年10月1日発行
初出:「オール読物 第二巻第八号」
   1947(昭和22)年10月1日発行
入力:tatsuki
校正:noriko saito
2009年1月26日作成
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