果の怖しさを知りながら、本能的な何かに惹かれて、すでに事をやり終っているのである。
私はヤス子に恋いこがれ、あこがれ、祈り、狂っているのである。そのヤス子の名をかたり、ヤス子の慈しむ少女をさらって暴行する、ヤス子は怒り、蔑み、私を捨てゝ去るであろう。
私はヤス子に捨てられる日の不安のために、日夜を問わず悩み狂っているのである。その不安と怖れにくらべれば、美代子などは何物でもない。魅力もさしたるものではなく、衣子への復讐の誓いと云っても、それも、今は、すでにさしたるものではなかった。
そのくせ、思いたつ。熱心に計画する。私は緊張し、図太くなり、そして、私の目の鉛色に光りだすのが自分にも分るように思われる。メンミツに、ジンソクに、着々と、私はすでに実行しているのであった。
オロカである。オロカ。オロカ。ああ! オロカ。オロカモノよ。
すでに、すべては、破滅したと思った。
どうして再びヤス子の顔を見る勇気があろう。
私は美代子と、せめて最後の悲しい旅にでようと思った。
美代子は、まるで、白痴であった。怒り、呪い、蔑んでも、私に従わざるを得ないのである。再三の罪の怖れのために、
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