てボクにも作ることをすすめたのは入江元彦だ。安岡君の奥さんは入江元彦の従妹だそうだ。彼とF君は同道して桐生に現れ、F君は安野君について、入江元彦はその奥さんについて各々一席弁じて去ったのである。こういう変なのがつながって歩いているというのは珍しい現象であろう。
 キングの斎藤君到着。一しょに映画を見に行く。
 何を書いてよいか見当がつかないから、夕食中、斎藤君が大声で新聞の「人生案内」をボクによんできかせはじめた。急に気がついて「人生案内」という戯作を書く気になり、すぐひッこんで書きはじめた。



底本:「坂口安吾全集 14」筑摩書房
   1999(平成11)年6月20日初版第1刷発行
底本の親本:「文学界 第八巻第八号」
   1954(昭和29)年8月1日発行
初出:「文学界 第八巻第八号」
   1954(昭和29)年8月1日発行
入力:tatsuki
校正:小林繁雄
2006年9月16日作成
青空文庫作成ファイル:
このファイルは、インターネットの図書館、青空文庫(http://www.aozora.gr.jp/)で作られました。入力、校正、制作にあたったのは、ボランティア
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