ている、そう考えることが不合理であろうか。
 矢島は然し満足であった。子供の遺骨をつきとめることができたよりも、はるかに深くみたされていた。
 私たちは、いま、天国に遊んでいます。暗号は、現にそう父に話しかけ、そして父をあべこべに慰めるために訪れてきたのだ、と彼は信じたからであった。



底本:「坂口安吾全集 06」筑摩書房
   1998(平成10)年7月20日初版第1刷発行
底本の親本:「サロン別冊 特選小説集・第二輯」
   1948(昭和23)年5月20日発行
初出:「サロン別冊 特選小説集・第二輯」
   1948(昭和23)年5月20日発行
入力:tatsuki
校正:土井 亨
2006年7月24日作成
青空文庫作成ファイル:
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