小数の戯作者にそのやうな人もあつた。
いはゞ、戯作者も亦、一人のラムネ氏ではあつたのだ。チョロチョロと吹きあげられて蓋となるラムネ玉の発見は余りたあいもなく滑稽である。色恋のざれごとを男子一生の業とする戯作者も亦ラムネ氏に劣らぬ滑稽ではないか。然し乍ら、結果の大小は問題でない。フグに徹しラムネに徹する者のみが、とにかく、物のありかたを変へてきた。それだけでよからう。
それならば、男子一生の業とするに足りるのである。
底本:「坂口安吾全集 03」筑摩書房
1999(平成11)年3月20日初版第1刷発行
底本の親本:「都新聞 一九四二五〜一九四二七号」
1941(昭和16)年11月20〜22日
初出:「都新聞 一九四二五〜一九四二七号」
1941(昭和16)年11月20〜22日
入力:tatsuki
校正:noriko saito
2008年9月16日作成
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