ぶた》のすみにたまってきて、下に落ちるほど大きくなり、ついに頬《ほお》をすべり落ち、あるいは時とすると口もとに止まった。老人はその苦《にが》い味を感じた。彼はそのまましばらく石のようになってたたずんだ。それから、同じ道を同じ歩調で戻っていった。その角から遠ざかるに従って、目の光は消えていった。
そのうちしだいに、老人はフィーユ・デュ・カルヴェール街の角まで行かないようになった。彼はよくサン・ルイ街の中ほどに立ち止まった、あるいは少し遠くに、あるいは少し近くに。ある日などは、キュルテュール・サント・カトリーヌ街の角に止まって、遠くからフィーユ・デュ・カルヴェール街をながめた。それから彼は何かを拒むがように、黙って頭を左右に振り、そして引き返していった。
やがて彼は、もうサン・ルイ街までも行かなくなった。パベ街までしか行かないで、頭を振って戻っていった。次にはトロア・パヴィヨン街より先へは行かなくなった。その次にはもうブラン・マントー教会堂から先へ出なくなった。ちょうど、もう撥条《ばね》を巻かれなくなった振り子が、しだいに振動を狭《せば》めてついに止まってしまおうとしてるのによく似てい
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