。そういう静平から偽りが出ようはずはなかった。氷のごとき冷ややかさは誠実なものである。その墳墓のごとき冷然さのうちには真実が感ぜられた。
「私はあなたの言葉を信じます。」とマリユスは言った。
 ジャン・ヴァルジャンは承認するように頭を下げ、そしてまた言い続けた。
「コゼットに対して私は何の関係がありましょう。ただ通りがかりの者にすぎません。十年前までは彼女が世にいることすらも知りませんでした。なるほど私が彼女を愛していたのは本当です。既に年を取ってからごく小さな娘を見ると、それを愛したくなるものです。年を取ってくると、どの子供に対しても祖父のような気になるものです。私のような者でも人並みの心をいくらか持ってるらしいです。コゼットは孤児でした。父も母もありませんでした。それでせめて私でもあった方がよかったのです。そういうわけで私は彼女を愛し始めました。子供という者はか弱いもので、偶然出会った私のような者でもその保護者となり得ます。私はコゼットに対して保護者の務めをしてきました。私はそれくらいのことを善《よ》い行ないだと言い得ようとは思いませんが、しかしもし善い行ないだとすれば、私がそれを
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