て、お父様をいたわっておくれと言いました。春になるといつも、窓の正面にあるアカシアの茂みに、鶯《うぐいす》がやってきます。二カ月の間も続いております。その鶯の巣がお室《へや》の左にあって、私どものが右手にあるわけです。晩には鶯が歌い、昼間はコゼットがお話相手になります。室は日当たりも上等です。コゼットがあなたの書物も並べてあげます。クック大尉の旅行記やヴァンクーヴァーの旅行記や、何でも御入用なものを整えてあげます。たしかごく大事にしていられる小さな鞄《かばん》が一つありましたね。あのためには片すみにちゃんと置き場所をこしらえさしてあります。私の祖父はまったくあなたに心服しています。ちょうどいいお相手です。みんないっしょに住みましょう。あなたはトランプを御存じですか。もしおやりでしたら祖父はどんなに喜ぶでしょう。私が裁判所に弁論に出る時には、あなたがコゼットを散歩に連れていって下さい、昔リュクサンブールでなすったように、コゼットに腕を貸して。私どもは是非ともごく幸福にしたいときめています。それにはあなたの幸福も欠けてはいけません。ねえお父さん。そして今日は、私どもといっしょに朝食をして下
前へ
次へ
全618ページ中462ページ目
小説の先頭へ
文字数選び直し
ユゴー ヴィクトル の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ
登録
ご利用方法
ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング