刺に富んだ詩人[#ここで割り注終わり])などのような言葉が、更に隠語を交じえてそれから流れ出る。その上方から群集の上に、野卑な文句が投げつけられる。できる限りたくさんの人を積んでるその馬車は、戦利品のようなありさまに見える。前部は喧騒《けんそう》をきわめ、後部は混雑をきわめている。一同は怒鳴り、喚《わめ》き、吼《ほ》え、笑い、有頂天になっている。快活の気はわき立ち、譏刺《きし》は燃え上がり、陽気さは緋衣《ひい》のようにひろがっている。二匹の痩馬《やせうま》は、花を開いてる滑稽を神に祭り上げて引いてゆく。それは哄笑《こうしょう》の凱旋車《がいせんしゃ》である。
その哄笑は、露骨というにはあまりに皮肉すぎる。実際その笑いには怪しげな気がこもっている。それは一つの使命を帯びてるのである。パリー人に謝肉祭を示すの役目を持ってるのである。
それら野卑無作法な馬車には、何となく暗黒の気が感ぜらるるものであって、思索家をして夢想に沈ませる。その中には政府がいる。公人と公娼《こうしょう》との不思議な和合がそこにはっきりと感ぜらるる。
種々の醜悪が積み重なって一つの快活さを作り上げること、破廉恥と
前へ
次へ
全618ページ中413ページ目
小説の先頭へ
文字数選び直し
ユゴー ヴィクトル の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ
登録
ご利用方法
ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング