ヘラクレス神、アリストファネスに目を伏せさせた巫女《みこ》のように、ラブレーにも耳を押さえさせるかと思われるばかりの無作法な女ども、麻屑《あさくず》の鬘《かつら》、薔薇色《ばらいろ》の肉襦袢《にくじゅばん》、洒落者《しゃれもの》の帽子、斜眼者《やぶにらみ》の眼鏡《めがね》、蝶になぶられてるジャノー([#ここから割り注]訳者注 滑稽愚昧な人物[#ここで割り注終わり])の三角帽、徒歩の者らに投げつける叫び声、腰にあてた拳《こぶし》、無作法な態度、裸の肩、仮面をつけた顔、ほしいままな醜態、それから花の帽子をかぶった御者が撒《ま》き散らす無茶苦茶な悪口、そういうのがこの見世物のありさまである。
 ギリシャにはテスピスの四輪馬車が必要であったが、フランスにはヴァデの辻馬車《つじばしゃ》が必要である。([#ここから割り注]訳者注 前者は悲劇の開祖たるギリシャ詩人、後者は通俗詩の開祖たるフランス詩人[#ここで割り注終わり])
 いかなるものも皆道化化され得る、道化そのものも更に道化化され得る。古代美の渋面であるサツルヌス祭も、しだいに度を強めてきてついに謝肉祭《カルナヴァル》末日となっている。昔は葡
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