涯にただ一度のその機会に乗じて、白鳥や鷲と共に火天まで舞い上がっていくんだ。そして翌日また中流市民の蛙《かえる》の中に落ちてこないですむようにしなくちゃいけない。結婚について倹約したり、その光輝をそぐようなことをしてはいけない。光栄の日にけちけちするものではない。婚礼は世帯ではない。わしの思いどおりにやれたら、実にみやびなものになるんだがな。木立ちの中にはバイオリンの音を響かしてやる。計画と言っては、空色と銀だ。儀式には田野の神々をも並べてみせる。森の精や海の精をも招きよせてみせる。アンフィトリテ([#ここから割り注]訳者注 海の女神[#ここで割り注終わり])の婚礼、薔薇色《ばらいろ》の雲、髪を結わえた素裸の水の精ども、女神に四行詩をささげるアカデミー会員、海の怪物に引かれた馬車。
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トリトン([#ここから割り注]海の神[#ここで割り注終わり])は先に駆けりつ、法螺《ほら》の貝もて
人皆を歓喜せしむる楽を奏しぬ。
[#ここで字下げ終わり]
これが儀式の目録だ、目録の一つだ。さもなくばわしはもう何にも知らん、断じて!」
 祖父が叙情詩熱に浮かされて、自ら自分の言葉に
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