らうがいい。あの娘は毎日、老人を代わりによこしてお前の様子を尋ねさしている。お前が負傷してからというもの、いつも泣きながら綿撒糸《めんざんし》をこしらえてばかりいる。わしはよく知ってる。オンム・アルメ街七番地に今住んでいる。ああいいとも。好きならもらうがいい。お前はすっかりはまり込んでいるな。お前はつまらない計画を立てて、こう考えたんだろう。『あの祖父《じじい》に、あの摂政時代と執政内閣時代との木乃伊《みいら》に、あの古めかしい洒落者《しゃれもの》に、あのゼロントとなったドラントに([#ここから割り注]訳者注 共にモリエールの戯曲中の人物にて、ゼロントは欺かれやすい愚かな好々爺、ドラントはばかげた気取りや[#ここで割り注終わり])、きっぱりと思い知らしてやろう。彼だって昔は、おもしろいことをやって、情婦《いろおんな》をこしらえ、小娘をひっかけ、幾人ものコゼットを持っていたんだ。お化粧をし、翼をつけ、春のパンを食ったことがあるんだ。昔のことを少し思い出さしてやらなけりゃいけない。どうなるかみてるがいい。戦争だ。』そう思ってお前は甲虫《かぶとむし》の角をつかまえたわけだな。いい考えだ。そこ
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