、存在していた。すなわち再びコゼットに会うことだった。彼にとっては、生命の観念とコゼットの観念とは別々のものではなかった。彼は心のうちで、その一方だけを受け取ることはすまいと決していた。だれでも自分を生きさせようと望む者には、祖父にも運命にも地獄にも、消えうせたエデンの園を戻すように要求してやろうと、決心の臍《ほぞ》を固めていた。
 それに対する障害は、彼も自らよく認めていた。
 特に一事をここに力説しておくが、祖父のあらゆる親切や慈愛も、彼の心を奪うことは少しもできず、彼の心を和らげることはあまりできなかった。第一、彼はすべてのことをよく知っていなかった。次に、まだおそらく熱に浮かされてる病床の夢想のうちに彼は、自分を懐柔しようとする変な新しい試みと見|做《な》して、祖父のやさしい態度を信じなかった。彼は冷淡にしていた。祖父はそのあわれな老いた微笑を空《むな》しく費やすのみだった。マリユスはこう考えていた。自分が何にも口をきかずなされるままにしている間だけ、祖父も穏やかにしているのだ、しかし問題が一度コゼットのことにおよんだなら、祖父の顔は一変し、その真の態度が仮面をぬいで現われて来
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