る。あるいは泥灰岩が流れ出し、瀑布《ばくふ》のような勢いで奔騰して、ごく大きな押さえの梁《はり》をもガラスのように砕く。最近のことであるが、ヴィエットで、サン・マルタン掘割りの水を涸《か》らしもせず航運にも害を与えないようにして、その下に集合下水道を通さなければならなかった時、掘割りの底に裂け目ができて、にわかに地下の工事場に水があふれてき、吸い上げポンプの力にもおよばなかった。それで潜水夫を入れてその裂け目をさがさせると、大だまりの口の所にあることがわかったので、非常な骨折りでそれをふさいだ。また他の所、すなわちセーヌ川の近くやあるいはかなり離れた所でも、たとえばベルヴィルやグランド・リューやリュニエール通路などで、人が足を取られてすっかり沈み込んでしまうほどの底なし泥砂《でいさ》に出会った。その上になお、有毒ガスのための窒息、土壌の墜落のための埋没、突然の崩壊。その上になお、チブスもあって、人夫らはしだいにそれに感染する。近頃でも、深さ十メートルの塹壕《ざんごう》の中で働きながら、ウールクの主要水管を入れるための土堤を作ってクリシーの隧道《すいどう》を掘り、更に、地すべりのする間を
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