再び婦人となす。汚水溝渠《おすいこうきょ》で都市を再び作り出し、泥土《でいど》で再び風俗を作り出す。陶器の破片を見ては、壺《つぼ》や瓶《びん》を結論する。羊皮紙の上の爪跡《つめあと》で、ユーデンガスのユダヤ居住地とゲットーのユダヤ居住地との差を見て取る。今残っているもののうちに、かつてありしものを見いだす、すなわち、善、悪、偽、真、宮殿内の血痕《けっこん》、洞窟《どうくつ》の墨痕《ぼくこん》、娼家《しょうか》の蝋《ろう》の一滴、与えられた苦難、喜んで迎えられた誘惑、吐き出された遊楽、りっぱな人々が身をかがめつつ作った襞《ひだ》、下等な性質のために起こる心のうちの汚涜《おどく》の跡、ローマの人夫らの短上衣にあるメッサリナ([#ここから割り注]訳者注 クラウディウス皇帝の妃にして淫乱で有名な女[#ここで割り注終わり])の肱《ひじ》の跡、などを見いだすのである。
三 ブリュヌゾー
パリーの下水道は、中世においては伝説的な状態にあった。十六世紀に、アンリ二世はその測量を試みたが、失敗に終わった。メルシエの立証するところによれば、今から百年足らず前までは、下水道はまったく放棄され
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