ある。敵を殺す以上は皆死を欲する。シューシェが「降伏せよ」と言う時に、パラフォクスは答える、「弾丸の戦いの後には刃物の戦いのみだ。」([#ここから割り注]訳者注 一八〇九年サラゴサの攻囲の折のこと[#ここで割り注終わり])ユシュルー居酒屋の襲撃にはあらゆるものが交じっていた。舗石《しきいし》は窓や屋根から雨のごとく降り、兵士らはそれにたたきつぶされつつ激昂した。窖《あなぐら》や屋根裏から銃弾が飛んだ。攻撃は猛烈であり、防御は激烈であった。最後に、戸が破れた時には、鏖殺《みなごろし》の狂猛な蛮行が演ぜられた。襲撃者らはこわされて床《ゆか》に投げ出された戸の板に足を取られながら、居酒屋の中に突入したが、そこにはひとりの敵もいなかった。螺旋状《らせんじょう》の階段は斧《おの》に断ち切られて室《へや》のまんなかに横たわっており、数人の負傷者らは既に息絶えており、生命のある者は皆二階に上がっていた。階段の入口だったその天井の穴から、恐怖すべき銃火が爆発した。それは最後の弾薬であった。その弾薬が尽きた時、瀕死《ひんし》の苦しみのうちにある恐ろしい彼らに火薬も弾もなくなった時、前に述べたとおりアンジ
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