青銅の梁《はり》の落ちかかるような重さで、防寨めがけてまっすぐに進んできた。
障壁はよく持ちこたえた。
暴徒らは猛烈な銃火を開いた。敵からよじ登られる防寨は電光の鬣《たてがみ》をふりかぶったかと思われた。襲撃は狂猛をきわめて、防寨の表面は一時襲撃軍をもって満たされたほどだった。しかし防寨は、獅子《しし》が犬を振るい落とすように兵士らを振るい落とした。あたかも海辺の巌《いわお》が一時|泡沫《ほうまつ》におおわれるがように、襲撃軍におおわれてしまったが、一瞬間の後にはまた、そのつき立ったまっ黒な恐ろしい姿を現わした。
退却を余儀なくされた縦列は街路に密集し、何らの掩護物《えんごぶつ》もなく恐るべきありさまで、角面堡《かくめんほう》に向かって猛射を浴びせた。仕掛け花火を見たことのある者は、花束と言わるる一束の交差した火花を記憶しているだろう。その花束を垂直でなしに横に置き、各火花の先に小銃弾や猟銃|霰弾《さんだん》やビスカイヤン銃弾があって、その房《ふさ》のような雷電の下に死を振るい出していると想像してみるがいい。防寨《ぼうさい》は実にそういう銃火の下にあった。
両軍とも決意のほどは
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