相親しんだ。しかし情況がまだ熟さない時、反乱が決定的な同意を得ない時、群集がその運動を好まない時には、戦士らは見捨てられ、都市は反抗の周囲に砂漠《さばく》と変じ、人の魂は冷却し、避難所は閉ざされ、街路は防寨《ぼうさい》を占領せんとする軍隊を助ける隘路《あいろ》となるのだった。
民衆はいかに強《し》いられても、おのれの欲する以上に早く足を運ぶものではない。民衆にそれを強いんとする者こそ禍《わざわい》である。民衆は他の自由にはならない。そして民衆は反乱をその成り行きに放置する。暴徒らはペスト患者のごとく見捨てられる。人家は断崖《だんがい》となり、戸は拒絶となり、家の正面は壁となる。その壁は物を見また聞くけれども、それを欲しない。多少口を開いて反徒を救うであろうか。否。一の審判者となるのである。反徒らをながめて、彼らに罪を宣告する。それらの閉ざされた人家こそいかに陰惨なるものであるか。一見死んでるように思われるが、実は生きているのである。生命の流れはそこで切れてるようであるが、実は存続している。もう一昼夜の間だれも出入りしなかったが、人はひとりも欠けてはいない。その巌《いわお》のように静ま
前へ
次へ
全618ページ中134ページ目
小説の先頭へ
文字数選び直し
ユゴー ヴィクトル の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ
登録
ご利用方法
ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング