《うず》を立てていた。去年の秋から残ってる少しの黄色い落葉が互いに愉快げに追っかけ合って、戯れてるがようだった。
豊かな光には何となく人の心を安らかならしむるものがあった。生命、樹液、暑気、蒸発気などは満ちあふれていた。万物の下にその源泉の大きさが感ぜられた。愛に貫かれてるそれらの息吹《いぶき》の中に、反照と反映との行ききの中に、光の驚くべき濫費《らんぴ》の中に、黄金の液の名状し難い流出の中に、無尽蔵者の浪費が感ぜられた。そしてその光輝のうしろには、炎の幕のうしろにおけるがように、無数の星を所有する神がかすかに認め得らるるのであった。
砂がまかれてるために一点の泥土もなかった、また雨が降ったために一握の塵埃《じんあい》もなかった。草木の茂みは洗われたばかりの所だった。あらゆる種類のビロードや繻子《しゅす》や漆《うるし》や黄金は、花の形をして地からわき出て、一点の汚れも帯びていなかった。壮麗であるとともに瀟洒《しょうしゃ》だった。楽しき自然の沈黙が園に満ちていた。その天国的な沈黙とともに、巣の中の鳩《はと》の鳴き声、群蜂《ぐんぽう》の羽音、風のそよぎなど、無数の音楽が聞こえていた。季
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