閧ゥ。」
「そうだ、」とアンジョーラは答えた、「しかしジャン・プルーヴェールの生命には代えられない。」
 その話は下の室で、ジャヴェルが縛られてる柱のすぐ傍《そば》でかわされた。
「それでは、」とコンブフェールは言った、「僕が杖《つえ》の先にハンカチをつけて、軍使となってゆき、人質を取り代えてこよう。」
「ちょっと!」とアンジョーラは言いながら、コンブフェールの腕に手を置いた。
 街路の先端に、意味ありげな武器の音がしたのである。
 そして一つの勇壮な叫び声が聞こえた。
「フランス万歳! 未来万歳!」
 それは覚えのあるプルーヴェールの声だった。
 一閃《いっせん》の光が見えて、発射の音が響いた。
 皆静まり返った。
「彼を殺したのだ!」とコンブフェールは叫んだ。
 アンジョーラはじっとジャヴェルを見て、そして言った。
「きさまの仲間が今きさまを銃殺したんだぞ。」

     六 生の苦しみの後に死の苦しみ

 この種の戦いの一特色は、防寨《ぼうさい》がほとんど常に正面からばかり攻撃されることであって、またたいてい攻撃者らは、あるいは伏兵を恐れてか、あるいは曲がりくねった街路に迷い込む
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