チ込んでいた。ごく高齢らしい老人がひとりこの群れにはいって歩いていた。武器は持っていず、何か考え込んだような様子をしていたが、おくれまいとして足を早めていた。ガヴローシュはそれに気づいた。
「あれは何でしょう?」と彼はクールフェーラックに言った。
「爺《じい》さんさ。」
 それはマブーフ氏であった。

     五 老人

 これまでに起こったことをちょっと述べておきたい。
 アンジョーラとその仲間は、竜騎兵が襲撃を始めた時に、ブールドン大通りの公設倉庫の近くにきていた。アンジョーラとクールフェーラックとコンブフェールとは、「防寨《ぼうさい》へ!」と叫んでバソンピエール街の方から進んだ人々のうちにはいった。レディギエール街で彼らは、街路をたどってるひとりの老人に出会った。
 彼らの注意をひいたのは、その老人が酔っ払ってでもいるように、千鳥足で歩いてることだった。その上老人は、朝中雨が降りその時もなおかなり降っていたのに、帽子をぬいで手に持っていた。クールフェーラックはそれがマブーフ老人であることを見て取った。何度もマリユスについて戸口の所まで行ったことがあるので、見覚えていた。そしてそ
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