セい残した。「俺はステッキを折る[#「俺はステッキを折る」に傍点]、言い換えれば[#「言い換えれば」に傍点]、尻《しり》を向ける[#「を向ける」に傍点]、またいい言葉で言えば[#「またいい言葉で言えば」に傍点]、立ち去るぜ[#「立ち去るぜ」に傍点]。お前たちはな[#「お前たちはな」に傍点]、親父《おやじ》にも[#「にも」に傍点]母親《おふくろ》にも会わなかったら[#「にも会わなかったら」に傍点]、晩にまたここに戻ってこい[#「晩にまたここに戻ってこい」に傍点]。晩食を食わしてやり寝かしてやるからな[#「晩食を食わしてやり寝かしてやるからな」に傍点]。」ところがふたりの子供は、巡査に拾われて養育院にやられたか、あるいは見世物師に盗まれたか、あるいは単にパリーの広い渦の中に巻き込まれてしまったかして、そこに戻ってこなかった。現在の社会のどん底には、こんなふうに行方《ゆくえ》のわからなくなった者がたくさんある。ガヴローシュは再び彼らを見なかった。あの晩から十週余り過ぎ去った。一度ならず彼は頭をかいてこう言った。「あのふたりの小僧はどこにいるのかな。」
 ところで、彼はピストルを手にしてポン・
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