Bそして自分の全心で彼女を包み、異常な確信をもってねたみ深く彼女をとらえていた。彼女の微笑、呼吸、かおり、青い眸《ひとみ》の深い輝き、皮膚のやさしい感触、首にあるかわいい痣《あざ》、あらゆる考え、それらをすべて彼は自分のものにしていた。眠ってもお互いの姿を夢みようと誓っていて、ふたりは実際そのとおり夢みた。それで彼はコゼットの夢をも自分のものとしていた。彼女の首筋のおくれ毛を、彼は絶えずながめ、時には息で触れ、そしてそのおくれ毛の一本たりとも自分のものでないのはないと自ら断言していた。結わえてるリボン、手袋、袖口《そでぐち》、半靴《はんぐつ》、すべて彼女の身につけてるものを、彼は自分の持ってる神聖な物のように、うちながめ大事にしていた。彼女が髪にさしてるきれいな鼈甲《べっこう》の櫛《くし》の所有者も、自分であると彼は夢想していた。彼女の長衣の一筋の紐《ひも》も、その靴下の一つの編み目も、その胸衣の一つの襞《ひだ》も、自分のものでないのはないと、彼は目ざめゆく肉感のひそかなそれとなきささやきにそそられて自ら言った。コゼットのそばにいる時彼は、自分の幸福、自分の所有物、自分の専制君主、自分
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