Yえた。
「犬めが!」
彼女は妙にすごく笑い出した。
「勝手になさいよ。だが入れやしない。あたしは犬の娘じゃない、狼《おおかみ》の娘だよ。お前さんたちは六人だが、それが何だね。お前さんたちは男だ。そしてあたしは女さ。だが恐《こわ》かないよ。言っておくがね、お前さんたちをこの家に入れやしないよ。なぜって、それはあたしの気に入らないからさ。寄ってきたら吠《ほ》えついてやる。犬がいるとあたしは言ったじゃないか。その犬はあたしだよ。お前さんたちなんか何とも思ってやしない。早く行っておしまい、うるさいよ。どこへでも行くがいい。だがここへはいけない、あたしがことわるんだ。そっちに刃物があるなら、あたしには足があるよ。どうだっていい。出てきてごらん。」
彼女は一歩盗賊らの方へふみ出した。恐ろしい姿だった。そしてまた笑い出した。
「へん、こわがるもんかね。夏には腹がすくし、冬には寒いさ。女の子だから嚇《おど》かせると思ってさ、この男のおばかさんたちはほんとにおかしいや。何をこわがろって言うのよ。なるほどそうね。大きな声をすれば寝台の下に隠れるような女ばかりを相手にしてるんだからね。だが人が違います
前へ
次へ
全722ページ中422ページ目
小説の先頭へ
文字数選び直し
ユゴー ヴィクトル の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ
登録
ご利用方法
ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング