らないうちに、ふたりはもう煙筒の壁に穴をあけ、その中をよじ上り、上の口をふさいでる金網をつき破った。そしてふたりの恐るべき盗賊は屋根の上に出た。風雨はますます激しくなって、屋根の上ではすべり落ちそうだった。
「足ぬき([#ここから割り注]脱走[#ここで割り注終わり])にはもってこいの黒んぼ(夜)だ!」とブリュジョンは言った。
 距離六尺深さ八十尺の淵《ふち》が、囲いの壁から彼らをへだてていた。その淵の底には、番兵の銃が闇《やみ》の中に光っていた。彼らは今ねじまげた煙筒の金網の一端に、ブリュジョンが地牢《ちろう》の中でよった綱を結びつけ、囲いの壁越しに他の端を投げやり、一躍して淵を飛び越え、壁の屋根木につかまり、壁をまたぎ越し、ひとりずつ綱にすがってすべりおり、湯屋の隣の小さな屋根の上に達し、綱を引きおろし、湯屋の中庭に飛びおり、庭をぬけ、門番の引き戸を押し開き、そのそばにたれ下がってる門の綱を引き、大門を開き、そして往来に出てしまった。
 彼らが釘《くぎ》を手にし、頭に計画を立てて、暗い中に寝床の上に起きあがってから、それまで四、五十分もたってはいなかった。
 それからすぐに彼らは、そ
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