》にかけられねえ。横になったら眠るが一番だ。もうポール・ド・コック([#ここから割り注]訳者注 当時の物語作者[#ここで割り注終わり])の話を読む暇もねえ。それに、門のすき間から光がもれていぬ[#「いぬ」に傍点]にめっかるかも知れないからな。」
「そしてまた、」と年上の方はおずおず言った。ガヴローシュと話をし口をきけるのは彼だけだった。「火の粉が藁《わら》の上に落ちるかも知れないや。家を焼かないように用心しよう。」
「家を焼くと言っちゃいけねえ、」とガヴローシュは言った、「殻を燃すというんだ。」
暴風雨はますます激しくなっていた。雷鳴の間々に驟雨《しゅうう》が巨象の背に打ちかかる音が聞こえていた。
「降れ降れ。」とガヴローシュは言った。「家の足にざあざあ水をあけるのを聞くなあおもしろいや。冬ってばかな野郎だな。大事を品物をなくし、骨折りをむだにして、それで俺たちをぬらすこともできねえで、ただ怒ってばかりいやがる、老耄《おいぼれ》の水商人《みずあきんど》めが。」
ガヴローシュが十九世紀の哲学者として平然と何事も受け入れて揶揄《やゆ》したその雷は、大きな電光を一つもたらして、象の腹のす
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