きた。
「だが、」とガヴローシュは続けて言った、「どうしてお前たちは泣いていたんだ。」
 そして弟の方を兄にさし示した。
「こんな小さいんならかまわねえが、お前のように大きいのが泣くなあ、ばかげてるぜ。牛の子じゃあるめえし。」
「でも、」と子供は言った、「住居《すまい》がどこにもなかったんだもの。」
「何だい、」とガヴローシュは言った、「住居なんて言うんじゃねえ、小屋というんだ。」
「そして、夜にふたりっきりでいるのがこわかったんだもの。」
「夜じゃねえ、黒んぼというんだ。」
「そうですか。」と子供は言った。
「よく聞いておけ、」とガヴローシュは言った、「もうこれから泣くんじゃねえぞ。俺《おれ》が世話してやる。おもしろいことばかりあるんだ。夏になるとね、俺の仲間のナヴェというやつといっしょにグラシエールに行って、船着き場で泳ぎ回り、オーステルリッツ橋の前でまっ裸で筏《いかだ》の上を駆け回り、洗濯女《せんだくおんな》らをからかってやるんだ。あいつらは、わめいたり怒ったりして、そりゃあおもしろいぜ。骸骨《がいこつ》の男も見に行こう。生きてるんだぜ。シャン・ゼリゼーにいる。びっくりするほどや
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