。外には大勢人がいるが、ここにはだれもいない。外には月も照っていないが、ここには俺の蝋燭《ろうそく》があるんだ。」
ふたりの子供は前ほどこわがらないで部屋《へや》の中を見回し始めた。しかしガヴローシュは彼らに長く見回してる暇を与えなかった。
「早くしろよ。」と彼は言った。
そして彼はふたりをちょうど室《へや》の奥とでも言える方へ押しやった。
そこに彼の寝床があった。
ガヴローシュの寝床はすっかり整っていた。すなわち、敷き蒲団《ぶとん》と掛け蒲団とまた帷《とばり》のついた寝所とをそなえていた。
敷き蒲団は藁《わら》の蓆《むしろ》であったが、掛け蒲団は灰色のかなり広い毛布の切れで、ごくあたたかくまたほとんど新しかった。そして寝所というのは次のようなものだった。
かなり長い三本の柱が、漆喰《しっくい》の屑《くず》が落ち散った地面に、すなわち象の腹に、前方に二本後ろに一本、堅くつき立ててあって、その上の方を繩《なわ》で結わえられ、ちょうどピラミッド形の叉銃《さじゅう》のようになっていた。叉銃の上には金網がのっていて、それはただ上からかぶせられたばかりではあるが、巧みに押しつけて針金
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