を得るにいたった。皇帝にとっては、その考案したところを実現せんがためには、雲斑石《うんぱんせき》や青銅や鉄や金や大理石などが必要だったろうけれども、神にとっては、板と角材と漆喰《しっくい》との古い構造で足りたのである。皇帝は天才的夢想をいだいていた。鼻を立て、塔を負い、勇ましい生命の水を四方に噴出する、この武装せる驚くばかりの巨大なる象のうちに、民衆を具現せんと欲した。しかし神はそれをいっそう偉大なるものたらしめた、すなわちその中にひとりの少年を住まわしたのである。
 ガヴローシュがはいり込んだ入り口の穴は、前に言ったとおり象の腹の下に隠れていて、その上|猫《ねこ》か子供のほかは通れないくらいに狭かったので、外からはほとんど見えなかった。
「まず初めに、」とガヴローシュは言った、「皆不在だと門番に言っておこう。」
 そしてよく案内を知った自分の部屋にでもはいるように平気で暗闇《くらやみ》の中を進んでいって、一枚の板を取り、それで入り口の穴をふさいだ。
 ガヴローシュはまた闇の中にはいり込んだ。ふたりの子供は、燐《りん》の壜《びん》の中に差し込んだ付け木に火をつける音を聞いた。化学的のマ
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