られたん[#「ん」に傍点]という音は、こういう意味だった、「注意しろ[#「注意しろ」に傍点]、うっかりしたことは言えねえ[#「うっかりしたことは言えねえ」に傍点]。」その上モンパルナスの言葉のうちには、ガヴローシュの気づかない文学的美点があった。それは、番犬と短剣と一件[#「番犬と短剣と一件」に傍点]という言葉で、タンプル付近で普通に隠語として使われ、犬とナイフと女[#「犬とナイフと女」に傍点]という意味であって、モリエールが喜劇を書きカローが絵を書いていたあの大世紀の道化者や手品師などの間に使い古されたものであった。
 今から二十年前までは、バスティーユの広場の南東のすみ、監獄の城砦《じょうさい》の昔の濠《ほり》に通ぜられた掘り割りにある停船場の近くに、一つの不思議な記念物が残っていた。それは今ではもうパリー人の記憶にも止まってはいないが、少しは覚えていてもいいものである、なぜなら、「学士会員エジプト軍総指揮官」([#ここから割り注]ナポレオン[#ここで割り注終わり])の考えになったものであるから。
 もっとも記念物とは言っても、一つの粗末な作り物にすぎなかった。しかしこの作り物は、
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