モンパルナスを落ち着けまじめになした。彼はガヴローシュの住居に賛成しだしたようだった。
「なるほど、」と彼は言った、「あの象か。中はどんな気持ちだ?」
「いいね、」とガヴローシュは言った、「まったくすてきだ。橋の下のように風はこないしね。」
「どうしてはいるんだ。」
「そりゃあはいれるさ。」
「穴でもあるのか。」とモンパルナスは尋ねた。
「うむ。だが人に言っちゃあいけねえよ。前足の間にあるんだ。いぬ[#「いぬ」に傍点]どもも気がついていないんだ。」
「でお前はそこから上ってゆくのか。なるほどな。」
「かさこそっとやればもう大丈夫、だれの目にもつかねえ。」
 そしてちょっと言葉を切って、ガヴローシュはまた言い添えた。
「この子供には、梯子《はしご》をかけてやろう。」
 モンパルナスは笑い出した。
「いったいどこからその餓鬼どもを拾ってきたんだ。」
 ガヴローシュは事もなげに答えた。
「理髪屋が俺《おれ》にくれたんだ。」
 そのうちにモンパルナスは考え込んだ。
「お前にはすぐに俺がわかったんだな。」と彼はつぶやいた。
 彼はポケットから何か二つの小さな物を取り出したが、それは綿にくるんだ二
前へ 次へ
全722ページ中278ページ目


小説の先頭へ
文字数選び直し
ユゴー ヴィクトル の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ 登録 ご利用方法 ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング