。
「畜生、」とガヴローシュは言い続けた、「唐辛《とうがらし》の膏薬《こうやく》みたいなものを着て青眼鏡をかけてるところは、ちょっとお医者様だ。なるほどいいスタイルだ。」
「シッ、」とモンパルナスは言った、「高い声をするな。」
そして彼は、すぐに店並みの光が届かない所にガヴローシュを連れ込んだ。
ふたりの子供は手をつなぎ合って機械的にそのあとについていった。
彼らがある大きな門の人目と雨とを避けた暗い迫持《せりもち》の下にはいった時、モンパルナスは尋ねた。
「俺が今どこへ行くのか知ってるか。」
「お陀仏堂《だぶつどう》([#ここから割り注]絞首台[#ここで割り注終わり])へでも行くんだろう。」とガヴローシュは言った。
「ばか言うな。」
そしてモンパルナスは言った。
「バベに会いに行くんだ。」
「ああ、」とガヴローシュは言った、「女の名はバベって言うのか。」
モンパルナスは声を低めた。
「女じゃねえ、男だ。」
「うむ、バベか。」
「そうだ、あのバベだ。」
「あいつは上げられてると思ったが。」
「うまくはずしたんだ。」とモンパルナスは答えた。
そして彼はこの浮浪少年に、バベはち
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